06ダイアリー

ライダー体験談:高校生から告白された?!

ヘルメットを被って街を駆け抜けるバイク便の仕事は、基本的に時間と渋滞との戦いだ。その日も、創業当時からお世話になっている常連の取引先へ向かい、いつものように都心のオフィス街を走っていた。

書類の入ったリアボックスを背負い、交差点の赤信号でバイクを止めたときのことだ。歩道から通りかかった制服姿の女子高生3人組が、急にこちらに近づいてきた。一人が少し照れくさそうに「あの、いつもお疲れ様です」と声をかけてきて、手に持っていたキンキンに冷えた缶コーヒーを差し出してきたのだ。

驚いて固まっていると、その子が少し頬を赤らめながら切り出した。 「前から街でバイクに乗っている姿をよく見かけていて、ずっと気になってたんです……。あの、彼女っていますか? もしよかったら連絡先交換してくれませんか?」

突然のドラマのような展開に、一瞬頭が真っ白になった。横に立つ友人と思われる残りの2人は、肘をつつき合いながらニヤニヤと楽しそうにこちらの様子を伺っている。

正直なところ、僕に彼女はいない。フリーだし、可愛い女子高生からのアプローチなんて夢のような話ではある。しかし、さすがに相手は高校生だ。大人として、そして仕事中のライダーとして線を引くべきだと理性が働いた。

「気持ちはすごく嬉しいんだけど、高校生と連絡先を交換するわけにはいかないんだ。ごめんね」

申し訳なさを込めつつ、丁寧にお断りをした。彼女は少し残念そうな顔をしながらも「ですよね、突然すみませんでした!」と爽やかに去っていった。

手元に残された缶コーヒーは少し温かくなっていた。断ったのは正解だったと思いつつも、男としては正直かなり嬉しかった。その後の取引先への配達は、いつもより少し軽い足取りでバイクを走らせることができた。

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